「ChatGPTは毎日使っている。でもCodexというものがあるらしい、と聞いて調べたら、急に開発者向けの話になった」。この記事は、その続きです。
月末になると、売上の一覧を開いて、月ごとに足して、表にして、案内文を書く。毎月おなじ手順です。
ChatGPTに聞けば、やり方は丁寧に教えてくれます。関数も出してきます。ただ、それを自分でコピーして、Excelに貼って、ずれを直して、もう一度見比べる。その手作業が、そのまま残ります。
Codexは、この「残った手作業」の側を引き受ける道具です。
ひとことで言うと、ChatGPTの「手が動く版」
いつものChatGPTは、聞かれたことに答えます。文章を書き、手順を教えてくれます。けれど、あなたのパソコンの中にあるファイルは開けません。開けないので、直すこともできません。
Codexは同じOpenAIの道具で、あなたのパソコンの中で、実際にファイルを開いて、読んで、書きかえて、動かします。
こういう「自分で手を動かすAI」を、AIエージェントと呼びます。「エージェント」と聞くと難しく聞こえますが、中身はこれだけです。相談相手だったAIが、代わりに作業をする係になった、ということです。
決定的な違いは3つ
| くらべる点 | いつものChatGPT | Codex |
|---|---|---|
| あなたのファイル | 開けない(自分で貼る) | 開いて読める |
| 書きかえ | 教わって自分で直す | 自分で書きかえる |
| 確かめ | 出した答えで終わり | 動かして、結果を見て、自分で直す |
3つ目が、いちばん大きい違いです。Codexは自分がやった作業の結果を自分で見に行きます。合っていなければ、もう一度やり直します。人が横で見ていなくても、そこまで進みます。
具体的に、何が起きるのか
言葉だけだと分かりにくいので、実際に打った文をそのまま出します。講座の第4章で使っている練習用の売上表(架空のパン屋のデータ)に対して、こう打ちました。
codex フォルダの中の uriage.xlsx を読んで、月別の合計金額と件数の表を、新しいシート「月別」に作って。
元のシートは一切変えないで。
出来たら、月別の合計を全部足した数が、元データの総合計と一致するか自分で検算して、その数字も報告して。
打ったのはこれだけです。2分27秒後に返ってきた返事が、これです。
「月別」シートを追加しました。元の「売上データ」シートは変更していません。
検算結果:月別合計・元データ総合計ともに ¥141,120、差額は ¥0 で一致しています。
Excelを開くと、本当に「月別」シートが増えています。関数を教わったのではなく、シートが実際にできています。 そして、頼んだとおり自分で検算までしています。
ここで注目してほしいのは、打った文にプログラムが一文字も無いことです。日本語で、仕事を頼む文を書いただけです。
Codexにできないこと3つ
宣伝だけ読むと万能に見えるので、先に「できないこと」を書いておきます。ここを知らずに始めると、あとで裏切られた気持ちになります。
- 判断そのもの。 「この案件、受けるべきか」は決められません。決めるのは人です。Codexができるのは、判断に必要な材料を、速く正確に並べるところまでです。
- 100点の保証。 AIは、もっともらしい間違いを混ぜることがあります。だから上の例でも「自分で検算して、その数字も報告して」と頼んでいます。人が最後に目で見る前提で使う道具です。
- よそのサービスを勝手に操作すること。 あなたが鍵を渡していないサービスには入れません。これは性能の話ではなく、してはいけない話です。
料金は「Codex単体の値段」を探しても出てこない
ここでつまずく人が多いところです。
Codexは単体で契約する商品ではありません。 ChatGPTの契約に含まれている利用枠です(出典: OpenAI の Codex 料金の説明)。だから「Codexの月額はいくらですか」と検索しても、Codexという名前の値札は見つかりません。探すべきは、ChatGPTのプランのほうです。
2026年8月時点では、下位の有料プランである Go が月1,400円です。無料の枠でも触れますが、少し作り始めるとすぐ足りなくなります。
使える量には枠が2つあり、5時間ごとの枠と、1週間ごとの枠で見ています。使った量は画面から確認できます。
料金は変わります。この記事の金額は2026年8月に確認したものです。申し込む前に、必ずOpenAIの公式の料金ページで今の金額を見てください。ドル表示になっている場合は、申し込み画面で日本円の金額を確かめてから進めます。
Windowsでは、どこにあるのか
「開発者向けのツールを入れて、黒い画面にコマンドを打つ」という説明を見て、そこで閉じた人が多いと思います。その方法もありますが、必須ではありません。
WindowsならMicrosoft Storeから普通のアプリとしてChatGPTを入れられます。そのアプリの中に、ChatGPTとCodexの2つの入口があります。左上の「▾」で切り替えます。同じアプリ、同じアカウントのまま、相談したいときはChatGPT、手を動かしてほしいときはCodexです。
ここで一つだけ注意があります。Storeで検索すると「ChatGPT Classic」という古いほうが出てくることがあります。こちらにはCodexが入っていません。 発行元がOpenAIであること、Classicではないことを確かめてから入れてください。
ここに書いたことは、講座「文系のためのCodex」の序章と第1章で扱っている内容です。序章から第2章のはじめまで9回分を、登録なしで無料公開しています。動画もついています。
Claude Codeとは何が違うのか
同じ種類の道具は他社にもあります。よく比べられるのが Anthropic の Claude Code です。
できることの方向は近いです。違いは入口の低さで、Codexは普段使っているChatGPTのアプリの中にあり、契約もそのままです。すでにChatGPTを使っている人にとっては、新しく覚えるものが少なくて済みます。Claude Codeは、道具を入れるところから始まります。
どちらが優れているかという話ではありません。いま自分がChatGPTを使っているなら、そこから地続きで手が動くようになるのがCodexです。
「プログラミングができる人向けでしょ」への答え
Codexの紹介記事の多くが、開発者向けに書かれています。画面例もコードだらけです。それで「自分の話ではない」と思うのは当然です。
けれど、上の例で打った文をもう一度見てください。あれは仕事の指示です。何を読んで、何を作って、元のデータは触らないで、最後に検算して報告して。部下や外注先に出す指示と、同じ形です。
私はプログラムを書かずにここまで来ました。人に教える仕事を26年してきて、その26年は、パソコンが苦手な人の隣に座る仕事でした。「私には無理」と言う人ほど、才能ではなく、順番のほんの少しの違いで止まっているだけでした。
Codexも同じです。順番を間違えなければ、書けなくても使えます。
始めるなら、この順番
最後に、つまずかない順番を書いておきます。
- ファイルとフォルダの場所が分かるようにする。拡張子を表示させる。ここを飛ばすと、多くの人があとで迷子になります
- Microsoft StoreからChatGPTアプリを入れて、Codexの入口を開くところまで確かめる
- 練習用のフォルダを作って、そこだけを触らせる。いきなり本番のデータに向けない
- 小さい仕事を1つ、最後まで通す。ファイルの片付けが分かりやすいです
- 慣れてから、毎月おなじ作業を載せ替える
3番が大事です。最初から仕事のデータでやらないでください。 練習用のフォルダを1つ決めて、その中だけを触らせます。Codexは、作る前・消す前に止まってあなたの許可を待つので、練習の範囲なら戻せます。ただし「送る」「消す」「お金を払う」の3つだけは取り返しがつかないので、その一押しは自分で押してください。
「文系のためのCodex」は、ファイルとフォルダの話から始めて、最後はパソコンを閉じていても毎朝LINEに集計が届く仕組みを自分の手元に残すところまで、順番どおりに進む講座です。開発者のように黒い画面に命令を打つことは、一度もありません。
画面写真も手順も全部Windowsで作ってあります。Macでも同じことはできますが、画面が違うため補足での案内になり、ご質問への対応はWindowsのみです。1日20分・2週間が目安です。
先行モニター 4,980円(正価 12,800円)先着10名・2026年9月30日まで
そのかわり、進んだところで「役に立ったところ」を一言だけ返信してください。お名前は伏せて講座サイトに載せます。
カードで申し込む(数分後にパスワードが届きます)
銀行振込で申し込む(確認後24時間以内)
先に中身を全部見る(講座の案内ページ)
お支払いのあと、有料ページのパスワードをメールでお送りします。ご質問はLINEで、お申し込みから90日間お受けします。
- Codexは「手が動くChatGPT」。あなたのパソコンのファイルを、読んで・書きかえて・動かして確かめる
- できないことは3つ。判断そのもの、100点の保証、鍵を渡していないサービスの操作
- Codex単体の値段は無い。ChatGPTのプランに含まれる利用枠として使う
- Windowsなら、Microsoft StoreのChatGPTアプリの中にある。「Classic」は別物
- 打つのはプログラムではなく、日本語の指示文。ただし順番を守ること
この記事は、講座「文系のためのCodex」をつくっている LiK が書いています。人に教える仕事26年。プログラムを書かずに、毎朝の集計をAIに任せています。金額は 2026年8月29日 に日本語の公式料金ページで確認したものです(記事の公開は 2026年9月7日)。最新の内容は各社の公式ページでお確かめください。